「私は、会社を辞める」
家族にそう伝えた時のことを、今でも覚えています。その時の両親の表情は、忘れることができません。歯を食いしばった、自分のことも。
ハッキリと反対されたわけではないけれど、理解されていないことはもちろん、悲しい、腹立たしい、という気持ちが痛いほど伝わってきて、あの時間の苦しさは、一生忘れられない辛い経験の1つです。
家族だからこそ、どんな反応が返ってくるかも想像できてしまいます。私の場合は、怒られる、悲しませる、反対される、ガッカリされる・・・といった、ネガティブな反応が返ってくるだろうと想像していて、実際そのようになったのです。
同じように、やりたいことを家族に理解してもらえず悩んでいる人へ、私なりに見えてきたことを書いてみます。
家族だからこそ
もちろん、頭ごなしに反対しているわけじゃないと、理解できることもあります。
心配だから。
失敗してほしくないから。
幸せになってほしいから。
意地悪で言っているわけではなく、その裏には家族だからこその思いがあるものです。
転職する時、独立する時、結婚する時。
人生の大きな決断を、家族に伝えるさまざまな瞬間があります。
そんな時、家族には、できれば快く受け入れてほしいし、応援してほしいもの。そんなふうに受け入れてくれる家族もいれば、そうではない家族もいます。
「大丈夫なの?」
「やめた方がいい」
「いい加減にしろ!」
こんな言葉をかけてきたり、
「そんなことするなら、もう顔を見せるな」
とまで言われることも、あるかもしれません。とても悲しいですよね。
自分の覚悟を確認する
家族から思うような反応をしてもらえなかった時、または、どんな反応が返ってくるかをイメージした時。「やっぱり言うのやめようかな…」「やりたいことは諦めようかな…」と、このまま突き進むのが怖くなることもあります。めんどくさい、と投げやりにもなるかもしれません。
そんな時、まず考えることは、1つです。それは、
「家族に反対されてまで、やりたいことなのか?」
ということ。
家族の反対によって諦めてしまうなら、そのやりたいことはまだ覚悟が固まっていないのかもしれません。自分の人生における決断は、自分の覚悟が何よりも必要です。決断の責任は、自分以外の誰にも取れないのです。
大きな決断であればあるほど、覚悟がなければその先で壁にぶつかった時に踏ん張ることができません。家族の反対以上のもっと大きな試練は、決断の先にあります。
厳しい言い方になってしまったかもしれませんが、家族の反対によって、自分の覚悟の大きさを確認するというのは、自分の決断に対する1つの試練と受け止めることができるのではないでしょうか。
私がこの質問を考えた時は、罪悪感と、吐き気のような気持ち悪さと、とてつものない不安と悲しさでメンタルぐちゃぐちゃになりながら、「反対されても、やりたい」と、思ったのです。
家族を通して見ている自分
応援してくれないだけでなく、自分の話を理解してくれない家族に対し、私はすごく腹も立ったし悲しかったです。
私はぐちゃぐちゃなメンタルをほぐしながら、両親に伝える間に、時間をかけて、少しずつ整理していきました。
これは結局、お互い様だな、と。
両親は両親で私に対して、私と同じように、どうして娘は親の気持ちをわかってくれないんだろう?と、腹も立つし悲しかったはずだから。
私は、私の決断を否定的に捉える家族の姿を通して、
・挑戦するのが怖い
・うまくいく自信もなくて1人で心細い
・胸を張って大丈夫と言えない自分が情けない
・本当は先が全く見えなくて不安
という、否定的な自分を見ていた。
一方で家族は、将来が不安定で不透明すぎる私の姿を通して、
・娘が自分のもとから離れていく寂しさ
・自分の将来や老後への不安
・失敗してしまうことへの恐れ
を見ていたかもしれません。
お互い、相手を鏡にして自分の感情が反応している。
そう考えると、どちらかが悪いわけでもない。
誰が悪いわけでもない、お互い様だ、と自分の気持ちを整理してから、私は両親に伝えに行ったのです。
すぐに受け入れてくれなくても
家族の反応に腹が立つ、悲しくなる、というのは、それだけ自分が家族を大事に思っているということの裏返しでもあります。そしてそれも、お互い様。
その気持ちを大切に抱えて、自分の覚悟も大切に抱きしめる。
今でも大切な誰かに反対されたり受け入れられない時は、こうするようにしています。
すぐには受け入れてもらえないかもしれません。でも、いつかこの決断で幸せに生きる姿を見せることができたなら、家族との関係も少しずつ変わっていくかもしれない。
ただ実際には、最後まで受け入れてくれないこともあります。それでも、自分が納得して幸せに生きていけるようになれば、そのうち不思議と家族への怒りや悲しみは小さくなっていくものです。
私の人生にとって、とても大きな一件でした。
それを乗り越えてから、家族との関係も少しずつ変わっていったと思います。そして今は、以前よりずっと、生きやすくなったと感じています。
家族に反対された時、自分に聞いてみたいこと
もし今、大切な決断を家族に反対されているなら、反対されそうだと不安なら、そんなとき自分に聞いてみたいのは、この2つです。
- 家族に反対されてもなお、やりたいことなのか(覚悟の大きさの確認)
- 家族の反応を通して、自分は何を見ていたのか(不安なのか、自信のなさなのか)
反対そのものをなくすことはできなくても、この2つを整理するだけで、決断への向き合い方は変わってくると思います。
今日の整理:家族の反対に、自分の覚悟を重ねてみる
決断の時、家族に反対されたらそれは「自分の覚悟へのお試し」と思ってみる。そして「私は家族の姿を通して何を見ていたのか?」を考えてみる。
家族の反対は、自分の進みたい道を問い直す機会であり、自分自身を知る機会でもあります。私にとっては、家族に反対されたことが、自分の覚悟と向き合うきっかけになりました。